そのいち
3限のチャイムが鳴ったら、放課後まで理科準備室に入ってはいけない
そのに
用務員を名前で呼んではいけない
そのさん
15時になったら、東棟に向かって3分間お辞儀をすること
そのよん
校舎裏の祠を掃除してはいけない
そのご
屋上に立ち寄ったら、下校までに美術室の黒板、西棟B階段、旧職員室奥の椅子を使用すること
そのろく
3F廊下の清掃担当は1日3回、廊下奥の机の引き出しに何も入っていないことを確認すること
そのなな
せんせいのいうことは聞きましょう
雛ヶ瀬あかりは、両親の転勤のために百済高校へ転校した。転校先にうまくなじめるか不安だったものの、みつるという友人もでき、穏やかに日々を過ごしていた。
「あかりちゃん、決まりはもう教えてもらえた?」
意図の読めない項目だらけの、破ってはいけない、絶対の決まりの話だった。
両親の転勤で都市部から転校した高校一年生。引っ込み思案で自己主張が少なく、やや臆病。しかし、知識欲が旺盛で、強い好奇心が本来の消極さを上回ることが時折ある。記憶力が良く、一度聞いたことは忘れない。
あかりのクラスメイト。明るく人懐っこい性格。転校後、クラスで孤立しそうだったあかりに声をかけ、友人になった。運動神経が非常に良く、入学早々に陸上部期待の星となった。勉強は苦手で、よくあかりに教わっている。実は、地主の家の生まれらしい。
高校一年生。無口で冷静、感情が表に出づらく思考が読み取れない。あかりとは違うクラスだが、あることをきっかけにあかりと知り合う。あまり体が丈夫ではないらしく、学校を欠席することも多い。あかりと同じく「百済高校の決まり」を疑問視し、細々と調査している様子。
少し前までこの学校に在籍していた高校三年生。ある日突然姿を消したらしく、消息不明。あおいとは従兄弟で親交があったようだが……?
1995年、京都生まれ。学業の傍ら執筆をし、2012年に金糸雀社主催「全日本新人作家発掘プロジェクト 金糸雀祭」にて『教えてワダチさま』で大賞を受賞、作家デビュー。その後『つまりそういうことです』『渦潮のサドル』『第五番式場』『遺恨』『おはよお』など数々のヒット作を執筆し、ホラー作家として活躍している。