鶴川勝一は横浜美術短期大学専攻科を卒業後4年間、本学の工房で制作を続けていた。
その頃の彼は寡黙で頑固で意地を張っているように見えた。染料を混ぜた糊を円錐状の渋筒から絞り出し、布地にイラストを描き、蒸し処理後、水で糊分を洗い流す。いわゆる筒描きである。下書きは無い。白い布に絵を描きたいという衝動が彼を突き動かし、取り留めも無く内側から湧いて出て来る絵は理想と現実の隔たりから生まれる「悲しみ」や「怒り」である。彼は作品を自身の心と命が砕かれた物であり、それが瓦礫になるのだと言う。瓦礫は時間とともに増え、風化するが、風化を上回る早さで瓦礫は増殖して行く。瓦礫の山は彼の画歴そのものである。
今回、瓦礫の集積場となる本学ギャラリーで -画歴ノ瓦礫- 鶴川勝一の内面世界を是非、ご堪能ください。
横浜美術大学ギャラリー委員会
委員長 加藤良次
2015.06.01
- イベント・展示
鶴川勝一展 -画歴ノ瓦礫-
開催期間 | 2015年6月8日 〜 2015年6月21日 |
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備考 |
■オープンアトリエ 開催期間中、作家が制作をしています。 |