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2017.05.01
  • イベント・展示

横浜美術大学ギャラリー所蔵作品 高橋理子展

赤いランドセル。
長い髪。
スカート。

そんな既成概念に取り込まれたくないという反発からなのか、父親のカー専門誌(カミオン)を愛読し、弟のおもちゃ(トランスフォーマー)で遊び、男の子と遊んで、柔道を始め、バイクに乗って…。 幸いなことに、自由な家庭環境だったので「女の子なんだから〜」と、両親に言われた記憶はありませんが、女の子という枠組みから逃れたくて、人々の予想に反することを常に選択してきたように思います。 円と線で表現すれば「ドットとストライプが好きなんですね〜」と言われ、伝統工芸に関われば「伝統工芸を引き継ぐいい人」と思われる。着物を表現媒体とすれば「私も着物が好きなんです」と声をかけられ、「着物が好きで毎日着ている人」と思われる。 「女性なのだから」という言葉もそうですが、表層だけで私を捉えた言葉は、私に生きづらさを感じさせました。 女性は着物を着たら内股でおしとやかにというのも、それが本当に私らしいのだろうかと疑問に思っていました。着物を着た仁王立ちの姿は、そんなことに対しての私の答え。柔道をやっていた私の、私らしい自然な立ち姿なのです。 世の中には「こうでなければいけない」ということが、刷り込まれた「思い込み」であることが多いと私は感じています。昨今の性別に関してのことのみならず、何事においても、表層だけ(外見やネット上の情報のみ)で安易にとらえず、しっかり考えて本質を見極める訓練が必要だと思います。

高橋理子

高橋理子

円と直線のみで構成された図柄により、独自の活動を展開するアーティスト。2008年、東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程を修了し、博士号を取得。
活動理念を象徴する作品「PORTRAIT」は、着物をまとった作家本人が仁王立ちで佇む姿を写真に収めたシリーズ。固定観念をくつがえし、考えるきっかけを生み出したいという想いと共に、身近なものごとの本質に向き合い、それらに立ち向かう姿を表す。 現在は、着物を表現媒体とした創作活動のほか、日本各地の伝統技術を持った工場や職人とのもの作りをおこないながら、国内外問わず作品を発表している。 また、様々な企業や産地とのコラボレーションも多く、活動は多岐にわたる。

開催期間 2017年5月9日 〜 2017年5月19日
会場 横浜美術大学大学ギャラリー (3号館B1F)
料金 入館無料
備考 ■休館日
土曜、日曜
関連リンク

高橋理子 オフィシャルサイト